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2003年3月アメリカは、大量破壊兵器を持っているとの口実で、イラクに対して攻撃を開始しフセイン政権を倒し、フセインを処刑した。
アメリカは、「9.11」をテロリスト・アルカイダの攻撃だというストーリーを捏造し
(9.11は明らかにアメリカの最高権力の組織が内部から仕掛けた演出事件であった)、
さらにイラクを攻撃するために、大量破壊兵器を持っているというストーリーを捏造した。
このような情報は、少しばかり関心を持っている人間であれば、誰でもが街の書店でも、どこでも入手できるし、一部では常識になっている。
石油の利権を守るためにフセインが邪魔だったということと、戦争中毒で常に戦争を仕掛けてないと、中毒が切れて経済危機という症状がでてきて、アメリカの経済や兵器産業が回らないという歴史的構造があった。
「グリーン・ゾーン」ではマッド・デイモン(ロイ・ミラー軍曹)が、大量破壊兵器を発見するというミッションを遂行する部隊のリーダーを演じている。
戦争を仕掛けた大義名分がそれであるから、探し出さなければならない。
上層部から流される大量兵器が隠されているという情報をもとに、現場に何度も行っても、何にも見つけられない。銃撃戦を交えながら、現場を押さえようとするが、痕跡さえないために、ミラー軍曹はでっち上げの情報と気付き始める。
情報提供のルートも不明、発信者も不明。調べようとすると上からの妨害が待っている。
現代兵器のことだから、車で逃げても素足で逃げてもその位置は、全部カーナビと軍用ヘリのディスプレイから観測され、執拗に追跡される。あれだけのハイテクをもっていれば、イラクを破壊することはごく簡単なことだろう。
アメリカは、イラクの政治体制を破壊したばかりではなく、意図的に再生不能になるような仕掛けをする。
復興のきっかけとなる、地元のあらゆる組織を解散させた。当然、イラク国内は無政府状態、収集のつかない内乱状態に陥る。
先日見た『ハートロッカー』は2004年のイラクが舞台で『グリーンゾーン』(2003年)の後に生み出された世界である。
はじめから大量破壊兵器もなく、「敵」もいなかったのだ。
その結果、アメリカは自ら演出した幻想に悩まされている。
『アバター』『ハートロッカー』『グリーン・ゾーン』という流れを見た人間は何万人いや何十万人いるだろうか。
彼らは、もはやアメリカに対して信頼を抱かないだろう。
彼らの行動は、さらに周囲の人々に伝搬して行く。
彼らの脳に植え付けられた、アメリカ不信という集合的な無意識的エネルギーは必ず近い将来現実の形になって現れると思う。
ただ、アメリカのすごいところは、権力に逆らって平気でこのような告発の映画を製作できる事だろうと思う。
日本人のだれが、このような離れ業をやってのけられるだろうか。
アメリカ合衆国憲法の精神はまだ生きている。その精神は実はネイティブの精神でもある。
国家というのは「幻想」である。本来的に実体のないものなのだ。
人間の思考が生みだした虚像である。それはあることのための道具に過ぎない。
国家というのが何であるのか、
国家間というのはどのようにあればよいのか、
その道具をどう使うか。
それは人間の思考に委ねられている。
イラクの民は、アメリカの幼稚で強引な力で傷つけられた。しかし、イラクの民の尊厳は決して傷は付けられない。
結局、傷ついたのはアメリカだったのだ。アメリカは自らのうちに敵を作ったことで誤った。
その時代は終わった。
これからは、情報その他を「共有」しないと人類は生存できない。